このドイツのフライブルグ町では、市内の600m四方の主要部には、マイカー乗り入れ禁止となっています。
つまり市内中心部へは、公共交通機関を利用しないと入れないのです。

町周辺には、たくさんの駐車場が整備されており、
そこへ車を止めなければなりません。

主な交通手段は、トラム(市電)と市バスになります。
これが、非常に安価で便利で人に優しいシステムとなっています。

例えば、バスには、ボタンが2種類あります。
バスに乗る時、このボタンを押さないとバスの扉は開きません。
ひとつは、人をデザインしたボタン
そしてもうひとつは車椅子をデザインしたボタン
 
この車椅子用のボタンを押すと、バスが傾いて、
バス停とバスのステップとの段差がなくなるのです。
バスを降りる時もこのボタンを押すと車体が傾き段差を無くしてくれます。

とても人に優しいシステムですね。

バスの利用料金について

チケットは、回数券、1日券、1ヵ月券。
1回券というのはなく、少なくとも4回の回数券か1日券を買わなければなりません。チケットは、無期限で使えます。

4回券で6ユーロ21セント(800円弱)、
1回200円くらいです。
どこからどこまでいくらとかという距離での課金システムではなく、とにかく1度乗車すれば1区間ずっと乗っていてもいいのです。

バスに乗車する時、チケットチェックはありません。
料金は、自己申告です。
ただし、たまに私服のチェックマンがいて、チケットの確認作業を行います。
不正が行われていれば、高額な罰則金を支払わなければならないシステムになっているのです。

自己申告、自己責任ですべてが運用されていました。

自転車通勤・通学する人への優遇支援

行政が自転車通勤する人を優遇支援しているため、自転車で通勤・通学する人がとても多いです。
道のほとんどは、車道と自転車道と歩道と必ず3つのタイプに分かれています。

そしてトラム(市電)の駅前には、自転車専用預け入れ施設(ステーション)が充実しています。
また、トラム(市電)にも自転車で乗り込むことができるのです。

行政の自転車優遇支援の取り組みは、「車は増やさない!」ことを前提に行われています。
公共交通機関を利用する方には、実費・負担を補助し、自転車を利用する人に対しても、実費負担は無いけれど推奨費用として補助金が出る様になっています。

自転車を使って通勤する人にもお金が支給される!
つまり、自転車を利用することで儲かる! 
だから、みんな自転車を使って通勤するのです。

日本の様に、「マイカー通勤は控えましょう」と言ったところで、
気合と根性では、人は動かないですよね。